RESEARCH & DEVELOPMENT デジタル・解析技術

熱流体シミュレーション(CFD)

熱流体シミュレーション(Computational Fluid Dynamics(CFD))は、流体の流れや熱の移動をモデル化した方程式をコンピューターで解くことによって数値的に“模擬実験”を行い、現象の予測を行う技術で、実験によるデータ収集に比べコストや必要時間が少なく、データ習得量も多いため魅力的な実験方法です。

当社では「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」との両立に向け、シミュレーション技術を駆使し様々な技術開発を行っています。
独自の熱流体シミュレーション技術を構築し、エネルギー・素材の安定供給に向けた効率化やリスク低減での活用だけではなく、カーボンニュートラル社会の実現に向け、水素(Direct MCH®)、合成燃料、バイオ燃料分野における技術開発にも活用しています。

水素(Direct MCH®)分野での活用

当社ではCO2フリー水素サプライチェーンの上流工程であるDirect MCH®技術開発を行っています。
電解槽の陰極では、陽極からの随伴水が邪魔をしてトルエンが触媒層に十分に行き渡らないと、副反応として水素発生が起き、MCH製造のファラデー効率が低下します。そこで、CFD解析を行い陰極側の拡散層に適したミクロ構造を検討しています。

陰極側拡散層の三相流動解析例

また、これまで小型電解槽から中型電解槽までスケールアップに成功してきました。その過程では各電解槽のモデルを作成し、電解槽内の流体/熱の流れをCFD解析し、設計に反映してきました。今後も熱流体シミュレーション技術を活用し、「エネルギー・素材の安定供給」と「カーボンニュートラル社会の実現」を推進していきます。

電解槽の温度分布解析例
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