合成燃料の実証プラントが研究所内に完成!
日本初となる原料からの一貫製造が可能なプラント

当社は航空機や自動車などの運輸部門におけるカーボンニュートラル化に向け、CO2および水素を原料とした合成燃料の製造技術開発に取り組んでいます。社会実装に向けて国のご支援のもとスケールアップ実証を進めており※、2024年、研究所内に1日当たり1バレル(ドラム缶1本分、約159L)の製造が可能な実証プラントを建設、同年9月より運転を開始しました。
※国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いた燃料製造技術開発プロジェクトの一環として実施
この実証プラントは、CO2の供給とCO2フリー水素の製造、それらを用いた逆シフト反応による合成ガス製造、FT合成(フィッシャー・トロプシュ反応)およびアップグレーディングによる合成燃料製造まで、原料からの一貫製造ができる日本初のプラントです。CO2フリー水素はグリーン電力を用いた水の電気分解によって製造しており、合成燃料の製造においては、これも日本で初めての取組みです。さらに、Climeworks社(スイス)製のDAC(Direct Air Capture)設備により大気から回収したCO2も原料の一部として使用する計画です。

実験室規模からスケールアップを実現
当社はカーボンニュートラル化の流れが本格化する以前から合成燃料製造技術の研究に着手し、開発を進めてきました。製造能力1日30mL程度の小さな装置から、実験の繰り返しによって技術を磨き上げ、さらに想定どおりの性能を発揮させるための緻密な設計・建設を経て、延床面積1200m2のプラントへのスケールアップを実現しています。今後、実証プラントの運転による検証を通じて更なる効率化・大型化に向けた課題の抽出、知見獲得を進め、合成燃料製造技術の早期確立を目指していきます。
担当者の声
2022年の検討開始から2年半、プラントの完成・運転開始にたどり着くことができました。多くの関係者の想いと工夫がつまったプラントから、最初の油がとれたときの喜びはひとしおでした。今後は研究所過去最大級のプラントを連続的に動かし、製品の製造と技術課題の抽出をしていきます。安全に留意しながら実用化に向けて、“研究”と”製造”の両面から挑戦していきたいと思います!
