RESEARCH & DEVELOPMENT 潤滑油研究開発

省燃費エンジンオイル

次世代エンジンオイルの開発

二酸化炭素の排出量の中で運輸部門の占める割合は大きく、その削減を目的として自動車の電動化が進められています(図1)。
電気自動車のみならず、ハイブリッド車も引き続き増加が見込まれることから、エンジンの高性能化やエンジンオイルの省燃費性向上は今後も重要となります。
また、船舶においても、舶用エンジンオイルの省燃費性向上や、水素やアンモニアなどのカーボンニュートラル燃料への対応が求められております。

図1:CO₂総排出量の中の運輸部門の割合
(出典:国土交通省「運輸部門における二酸化炭素排出量」)

省燃費ガソリンエンジンオイル -ENEOS X PRIME- の開発

当社では独自開発の化学合成ベースオイルや櫛型ポリメタクリレートポリマーを適用した、省燃費性能に優れる超低粘度エンジンオイルを開発しています。
また、摩擦低減剤であるモリブデンジチオカーバメイトに当社独自の金属系清浄剤を組み合わせることで、金属表面における二硫化モリブデン被膜の形成を促進させてエンジン部品間の摩擦を大きく低減することに成功しました(図2)。
これらの技術を結集した当社の省燃費ガソリンエンジンオイルENEOS X PRIMEは、省燃費性の向上だけでなく、エンジン内の騒音や振動の軽減による乗り心地性の向上を実現しています(図3)。

図2:ENEOS X PRIMEの省燃費テクノロジー
図3:ENEOS X PRIMEの省燃費性

カーボンニュートラルに貢献する舶用エンジンオイル開発

世界を往来する船舶から排出されるCO2を2050年までにゼロとする目標が掲げられており、省エネ技術の開発に加えて、水素やアンモニアなどのカーボンニュートラル燃料への転換も検討されています。
当社は低粘度化による省燃費性向上や、カーボンニュートラル燃料に対応した舶用エンジンオイルの開発に取り組んでいます。

図4:大型船舶
(出典:ENEOSオーシャン株式会社「31万トン型タンカー「ENEOS OCEAN」の竣工について」)
図5:大型舶用エンジン
(出典:Wärtsilä Corporation 「SUZLER RTA84T Technology review」)
図6:水素燃料船イメージ
(出典:国土交通省「国際海運のゼロエミッションに向けたロードマップ)
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